rainy love【超短編】
「あのさ。」


トシヤくんが急にマジメな顔で私を見つめる。


いつもニコニコしてるくせに…
急にそんな顔で見つめられるとドキドキするじゃない。


「なぁに?」


そんな気持ちを悟られないように私は平静を装って返事をする。


すると、トシヤくんは私の腕をギュッと掴んだ。


心臓が大きく跳ねる。


「俺、誰にでも髪の毛触らせるわけじゃないからね。」


トシヤくんの言葉の意味…。
私の全身が心臓になってしまったみたいに、ドクンドクンと激しく脈打つ。





「…君が好き。」





その言葉が発せられた瞬間


私の中の何かが弾けた。




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