rainy love【超短編】
「うわぁー!ゴメン!困らせた⁈
どうしよう‼︎俺ハンカチ持ってない‼︎」


トシヤくんは立ち上がって慌てている。


私の目から涙がどんどん溢れてきた。


トシヤくんの姿がボヤける。


でもトシヤくんの慌てっぷりは分かる。
その様子が可笑しくて。


「グスッ…うふふふっ…うっ…やだ
…もう…っ…ウケる…」


私は泣きながら笑ってしまった。


「あれっ?笑ってるの?」


トシヤくんはポカンとした顔で私の様子を伺っている。


「っ…だっ…て…トシくんっ…慌てすぎ!…っ…あははっ…」


私はしゃくりあげながらも笑ってしまう。
トシヤくんは困った顔で言った。


「俺、今決死の覚悟で告白したんだけど…。」


「ん…そうだね…」


私はポケットからハンカチを出して涙を拭いた。
そして、トシヤくんに向き直った。





「私もトシくんが好きだよ。」





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