青空の下月夜に舞う 2
お父さん達は、直ぐに出れるようで。
どんな店がいいか聞かれたけど、正直問題なのは、何を食べるかなんかじゃない。

黙り込んだ私に、お父さんは堅苦しいのはやめような、と口にして。
15分程で迎えに来ると、電話を切った。


はぁ……


思わず漏れたため息。

緊張を吐き出すかの様に、口から漏れた吐息だけど、ちっとも楽になんかならない。


堅苦しい店じゃないにしても、私は無難にグレーのワンピースを選んで袖を通した。

親に……家族に会うだけ。


どんなに長くなったって、二時間程度だろう。
その後は、響に電話して、裸女と笑い合うんだ。


深呼吸を何度か繰り返し、五分程経った後……
私は玄関を出た。


部屋よりも、下で待つ方が。
外を走る車の音で、少しでも震える手が収まる事を願って。
< 149 / 308 >

この作品をシェア

pagetop