すでに恋は始まっていた
「あの人、心の声が…聞こえなかったの」


(それと…プランターの花も…)


花のことは確信がないから泉には話さないでおこうと思った。


心の声が聞こえないなんてそうそうあることじゃない。


というか、花が急に咲くなんて聞いたこともない。


あの人がしたとは限らないけど…。


「は⁉︎なんで⁉︎」


一気に泉の表情がくもる。


驚きのせいで体が揺れるからクレープにのっているクリームが落ちそうになった。


慌ててクリームが落ちる前に泉がかぶりつく。


「多分…心のポーカーフェイスが上手なんだと思う」


「ん?心のポーリー…なんだって?」


(…英語が苦手にしても限度があるよ。この言葉聞いたことないのかな?)


「ポーカーフェイス!本当の心を隠すのが上手いってこと!」


「なるほど!でも、そんな人いくらでもいるでしょ?」


「ううん。あの人で10人目くらいかな」

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