すでに恋は始まっていた
(そういえば…昔助けてくれたあの子も聞こえなかったんだよね)


「少ないんだ!でも、別にあいつの声が聞こえなくてもいいでしょ?」


「うん…そうなんだけど…気になるっていうか。心を隠すのが上手い人は何かを隠してることが多いの」


今までの人達は何かを隠してた。


私にはどうすることもできなかったけど。


「別にもう関わらないし、いいんじゃない?」


《あんな軽いやつに日菜はあげないんだから!》


(クスッ…泉がお母さんみたい)


「…そうだね!」

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