すでに恋は始まっていた
「樹君!なんでこんなことするの!」


「なんで?そりゃあ1位が欲しいからさ。2位より下はいらないしね」


それは多分みんなのことを言っている。


みんなを捉えたんだから、みんなの順位はこの時点でもらえるはず。


だけど1位が欲しいが為に、みんなを人質にして私達を連れてきたんだろう。


「みんなを放してよ!私の1位をっ」


「あげるから」そう言おうとして疾斗に口を塞がれた。


「ダメだ。こんなやつに学園を渡してみろ。大変なことになるぞ」


「でも、みんなが!」


「俺たちには学園の生徒全員の生活がかかってるんだ!」


私は何も言えなくなった。


みんなと生徒、どちらかなんて選べない。

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