すでに恋は始まっていた
「樹君、もしかしてドリームランドで霧谷に会った時に脅されたの?」


「いいや、俺はずっと前からこいつと組んでいた。あの時だって、この作戦のことを話していただけ。ちなみに、体育祭の日にお前を霧谷と戦わせたのも俺だ。まぁ、俺はその時影から見ていただけだけどな」


樹君の言葉で頭が混乱する。


(そんな…じゃあ私は騙されていたの…)


今までの全てが崩れていく。


樹君の笑顔も、怒った顔も、拗ねた顔も…全部。


「くそっ」


疾斗も気付けなかったことを悔やんでいるみたい。


私には…ショックが大きすぎる。


私の初恋の人だったのに…。

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