すでに恋は始まっていた
「あ…あの、葉月…でいいよ?」


少し不安げに恥ずかしそうに視線をそらせながら言った。


私、おどおどした話し方は嫌いなんだけど、今だけ目の前葉月が可愛く見える。


「わかった!じゃあ葉月、私のことは日菜って呼んで!」


「私は泉ね!」


その言葉で安心したのかパッと表情が柔らかくなる。


(顔に出やすいタイプだな…)


「うん!」


そう言った葉月の顔はとても晴れやかで、見ているこっちまで嬉しくなるような笑顔だった。

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