すでに恋は始まっていた
「知ってる?青いカーネーションの花言葉は永遠の幸福なんだよ」


(夢…?)


「知ってるよ。何度も夢で聞いたもの」


目の前の男の子が遠ざかっていく。


「待って!私、あなたをずっと探してるの!お願い。名前だけでも…」


「僕は君の幸せを願っているからね…」


質問の答えにならない言葉を残し、私に構わず男の子は離れていく。


手を伸ばしても永遠に届かない。


「また…教えてくれないんだね」


(それなら私の夢に現れないでよ…。余計に虚しくなるよ…)


私はそのまま夢の中で崩れるように倒れた。

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