強引上司の恋の手ほどき
「じゃあな、お疲れ」
「お疲れ様です」
挨拶をかわし、私は駅に歩いて行く課長を見送った。
するとポケットの中でスマホが震えているのに気が付いた。美月さんからだ。
『千波〜もうお腹がすいて死にそうなの。駅前のパン屋のサンドイッチが食べたい!』
「あと……今、コンビニなんですけど」
『千波も、あのサンドイッチ食べたいわよね?』
これはなにがなんでもサンドイッチを買わせるつもりだとわかった私は、抵抗するのを諦めて駅前へと向かった。
あそこのパン屋さん遅くまでやってくれてるし、飲み物もたくさん置いてるしちょうどいいや。
それに課長からの軍資金もある。
私は、コンビニに入るのをやめて駅前へと足をすすめた。
品数を心配したけれど、遅くまでやっているだけあってまだ品揃えも豊富だった。美月さんが食べたいと言っていたサンドイッチをまずトレーに乗せた。