強引上司の恋の手ほどき
「課長にはなにらかの事情があって、今は話せないんでしょ? それでも千波が知りたいなら信じて待つしかないじゃない。それともこんなくだらないことで、別れてしまってもいいの?」

「それはダメです!」

勢い良く否定した私を見て、美月さんが笑う。

「そうでしょう。相手を信じられないならこの先ないわよ。たとえ夫婦になったとしても、簡単に話せないことがあるんだから」

夫婦になってもか……既婚者の美月さんが言うと説得力がある。

「恋人同士や夫婦なんて、所詮他人なんだからお互い歩み寄りながら一緒にいる努力をしないと、直ぐに破綻してしまうわ。だからその努力は一緒にいたいなら続けないといけないのよ。分かった?」

人差し指を私に突きつけた美月さんは「はい」と答えた私に満足して、笑顔になった。
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