友達になるということ




彩芽は、首を傾げながらも「そっか」と微笑む。


「じゃあ、またね。……今度、途中まで一緒に学校行きたいな」


中学を卒業して以来、初めて彩芽に会った時、あたしは彩芽を拒絶したけど、今度は、そのまま一緒に学校に行きたいと彩芽が控えめに言ってくれた。


「あとで、いつも何時に家出るのか教えて!」


さっき、彩芽と交換したばかりのLINE。
そのトーク画面が埋まるのに、そう時間はかからなそう。


彩芽は嬉しそうに笑って、手を振りながら帰って行った。


「さて、と……」


公園に来てすぐは、椿くんは来てくれるという謎の自信があったけど、もうさすがにその自信はなくなっている。


話がしたい。椿くんとちゃんと自分の気持ちも全部話して、それから彩芽とも仲直りできたことを聞いて欲しい。


それで、笑って欲しい。
よかったじゃん、って、いつもみたいに。


だけど、あたしの思いとは裏腹に時間は刻一刻と過ぎていく。


次第に、あたしの不安な気持ちを表したみたいな、冷たい雨が降り始めた。


通り雨かな……。天気予報では今日は1日晴れる予報だったのに。


雨宿りができそうな遊具は、この公園にはない。
それでも、待ち続けることにした。


今のあたしには、それしかできることがなかったから……。



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