動き出した、君の夏

最高の9人

「着いたぁーーっ」
『晴れたねー♪』

バスから降りた
昨日、一昨日で競技場まで乗せて行ってもらったバスで
今日はユニフォームじゃなくて制服を着て
スパイクじゃなくてメガホンとタオルを持って
競技をしに来たんじゃなくて、応援をしに
競技場じゃなくて


甲子園球場に来た!!!!

昨日の午後の雨が嘘みたいに、真っ青な空が頭の上に広がっていた

『正に野球日和!!』
「…そーいや千夏、寝なかったね」
『勿論!!』

陸上部の9人以外の生徒は、もうスタンドに入ってるらしくて、急いで階段を駆け上がった




『うわぁ…っ』

スタンドに出ると、空が近かった
そして、まだ何も始まってないのに、かなり盛り上がってる

「陸上の全国とは迫力が違うよなー…」
『瑞希っ、でもあたし達だって全国行ったんだからヘコむな!!』
「ヘコまねーよ☆それくらい凄いってこと!」


「あーっ。瑞希ーっ。千夏ーっ。おっそーいー!!」

吹奏楽部のマキが手を振った


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