動き出した、君の夏
2ストライク0ボール
中々いい滑り出しだよな

さぁ、最後…どうするか


裕樹のサインは…




『ど真ん中…ストレート…!!』

マジかよ
いきなり決め球?
しかも、相手はストレートを欲しがってるはずだ


…まぁ、裕樹は俺の数倍頭キレるし


大丈夫
裕樹を、仲間を信じろ

打たれても、後ろに心強い仲間が7人も居るんだ



ど真ん中…

裕樹のミットの真ん中を見つめた



ストレート!!!!



「…トライクッ!!バッターアウト!!!!」


「ワンナウト!!」

裕樹からボールを受け取った
計算づくらしい。裕樹の顔は余裕の笑顔だった

『ワンナウトー!!』

後ろを向いて、人差し指を立てた

次のバッターが出てきた
裕樹にに向き直ると、マスクの奥でニヤッと笑った


《もー1本。決め球ガンガン見せ付けてやんぞ》

それは…積極的すぎじゃねぇ?


『…おう』

俺にしか聞こえない声で、返事をした
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