色紙と一雫
言葉
実の親が居る俺はその子をどんな目で見ていたか。

『独り占めされてて心地良かったか。』

こんな目だった。
最低だとその次に思った。
お前のせいだとか思うより、羨ましさが先に出てきた。
それからまた最悪だと次に思った。

義理の弟は泣いてた。
幼いせいでもあったけど、もう12歳だ。
少しは状況把握が出来ただろう。
いつも母と寝ていた義理の弟はただただ上半身起こしてぼーっとしてた。
いつも声かけない俺が今日唯一発した言葉。

「おはよう。」
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