新選組と最強子供剣士
江戸って答えたら、どうやって来たとか、両親のこと聞かれるよねぇ。


「遠いとこ」


まぁこれでいいだろう。


土方さんの眉がピクッて動いた気がするけど、
子供だし許してくれるよな。


子供って立場をとことん利用する。


「お前の言う『遠いとこ』の名前は?」


‥‥‥しつけぇなおい!


こっちはいろいろ考えてんだよ!


「知らない」


「大阪とか江戸とか、わからないか」


ものすっごくしつこい。


こうなりゃ、とことんしらをきってやる。


「わかんない」


はぁ~と、ため息をつく土方さん。


何かむかつく。


わるかったな、知らなくて。


「何歳だ」


「8歳」


本当の年齢は16だが、今はたぶん8歳だ。


「親は」


8歳の時にはとっくに他界したな。


まぁなんにしろ、もう会えない人だし。


「いないよ」


僕はサラッと答えた。


そのことに驚いたのか、斎藤さんは目を大きく見開く。


土方さんは目を細めてじっと僕を見ている。


ふん、嘘は言ってないんだからな。


僕の両親はもうこの世にいない。


てか、いたとしてもこの時代にはいないし。


「いないのか?」


斎藤さんが、少しだけ遠慮して聞いてきた。
< 13 / 416 >

この作品をシェア

pagetop