琥珀色の王太子様に愛されすぎて困ってます！
貧乏伯爵令嬢に友達が出来る。
「フィオナ、開けてもいいか？」

扉のノック音と共にリューイ様の声が聞こえました。
私は枕に伏していた顔を上げ、リューイ様の言葉に答えます。

「少しお待ちいただけますか？」

慌ててベッドから身体を離し、鏡で自分の顔を確認しました。
今まで泣いていたものですから、目は少し赤くなっています。

今更どうすることも出来ないので赤くなった目は諦め、乱れた髪だけを軽く直し整えると、扉を開けました。
目の前にはリューイ様と・・・クリネア様。

クリネア様は部屋の前に立っているサイラス様をチラリと見て、そして私へと目線を移し軽く笑みを零します。
前のギスギスとした雰囲気は何処へやら。
リューイ様とクリネア様の空気は穏やかに感じられました。

「クリネアは君と話をしたいそうだ。部屋に入ってもいいか？」

「え、ええ。少し散らかっているのが気にならなければ・・・」


「お邪魔します、フィオナ様」

クリネアは一人、私の部屋に入り部屋の椅子に腰かけました。

「では私は公務へと戻る。サイラスもこの後騎士団の集まりがあるのでこの場を離れるが、問題はないな？」

「ええ。大丈夫ですわ。心配なさらないで」

クリネア様がそう答えると、リューイ様はクリネア様に何か目配せをし、そして扉を閉じられました。


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