琥珀色の王太子様に愛されすぎて困ってます!
なんでしょう、この感じ。

ほのぼのとしていて、穏やかに過ぎていく時間。
自然と笑みの零れる空間。

心がほわりと温かくなって、なぜか泣きそうになります。


「あら、どうしたの!?フィオナ。笑いながら泣いているわよ?そんなに気持ち悪かった!?リューイの告白が」

クリネア様にそう言われ、慌てて顔に手を当てると、頬は涙で濡れていました。

「す、すまないフィオナ!私が嫌いになったか?お前の気持ちも考えず・・・」

「い、いえ。違うんです。その、こんなに楽しい時間を過ごしたのは久しぶりで。嬉しくて・・・」

兄がいた頃は、それなりに楽しい毎日だったと思うのです。
お父様もお母様も笑顔で、お金はなくても心は満たされていました。

でも、兄がいなくなって、笑い声がなくなって。
いつの間にか色んな事に追われて、人と笑いながら話する事がこんなに楽しい事なんだって、すっかり忘れていました。

それを思い出させてくれたのは、紛れもなく目の前にいる皆。


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