琥珀色の王太子様に愛されすぎて困ってます!
「・・・ありがとうございます。私、とても嬉しいです。リューイ様の妄想はアレですが」

「アレとはなんだ、アレとは・・・。まあ、フィオナが楽しいのなら、それでいい」

「フィオナのお家は大変だったのよね。お兄様のヴィード様が駆け落ちされたんでしょう?それで援助の約束も断たれてますます困窮に陥ったとか。ヴィード様の婚約者だった方と顔見知りだったから、話は少し聞いていたのよ」

「クリネア様は知ってらしたんですね。そうなんです、兄のせいだけではないのは分かっているのですが、いきなり手紙一つ残して、いなくなったものですから。それから家庭の中はもう暗くて」


「その後のヴィード様の行方は?」

その言葉に、私は頭を横に振りました。

「何も分かりません。生きているのかさえも」

「そう・・・」

その一言を残し、クリネア様は何か考え込むように俯きます。



「会いたいか?フィオナ」

リューイ様は心配そうな表情を浮かべていました。

「そうですね・・・。何も知らないままいなくなってしまったので。でも、どうすることも出来ないですから。今はどこかで生きていればそれでいいと思っています」



「ねぇ、リューイ。貴方の力を使えばヴィード様を捜し出せるんじゃない?捜してあげたら?」
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