帰り道
蝶
何度も何度も思い出す
あの日君を見つけたあの夜を
空が闇に呑まれた深夜の駅前
ギターケースを抱えて今日の路上ライブを思い出しながら歩く
ふと気付くと鳴り響く音楽と賑わう観客の声がした
音のする方を覗いてみたら閉まった店のガラスの前で
音楽に合わせて笑顔絶やさず柔軟に踊る君を見つけた
あのときなぜか
そんな君を
キラキラした
夜に舞う
蝶々みたいだなって
なんとなくそう思った
ガラス越しに合った目を逸らせずにいたのは
今思えば
あのときから既に
あたしは君に惹かれ始めていたのかもしれないね