帰り道

「まぁいいか、青井笑ってるしな。とにかく迎えに行くから」


「はぁい」


「ん、じゃあまたな、おやすみ」


「おやすみー」



ﾌﾟｰﾌﾟｰ‥


ハルが電話を切ったのを確認してから電話を切る。


左のボタンを押すと画面には着信履歴が並ぶ。


友姫や拓哉の名前が並ぶその上に


ハル


という文字が新たに追加されている。


なんだかそれがすごく嬉しくて思わず口元が緩んでしまう。


「初めて電話しちゃったぁ」




‥けど

高島さんとの話については何も言われなかったな。


勘違い？


でも

春輝にとっても今日がいいハズと言った高島さんの言葉が妙に耳にこびりついてる。



あたしが何も聞かなければまだ一緒にいれるかな？



さっきまでおめでとうって言わなきゃなんて思ってたくせにね。


ハルの声を聞いたら余計に好きな気持ちが強くなったんだよ。


おめでとうなんて言いたくない。


言いたくないよ‥。


どうか勘違いでありますように。