帰り道
結局迷いに迷って送ったメールは…
『うん、是非よろしくお願いします。』
はい、センス0。こんなんじゃ全然ダメじゃん。普通の女子高生ならもっとメールひとつでも可愛くて訳のわからないような加工とか施すのだろうけど…。
あたしこういうのほんと苦手で…音楽しか取り柄ないからなぁ。
でもハルからの返事は
『やった★
じゃあ明日もまた5時に
生徒玄関前なー。』
こんなにも素敵で…いや恋してるあたしには素敵に見えちゃって。
あーなんかやばい。
「ギターでも弾いて落ち着こう。あ、路上行こうっと」
軽食をとって学校よりも濃い目のメイクをする。元々顔は大人びている方だけど補導なんかされたらたまらないから。
デニムを履いてキャミソールの上からカーディガンを羽織りギターとスコアを持って部屋を出た。
あたしはいつも通り原チャを走らせて駅に向かった。