帰り道
ストリートライブ



「おー、凛。おっす」


「あ、佐伯さん!!こんばんは」


ここらに集まるストリートミュージシャンは大抵常連さんが多い。だから自然に話すようになり今はもう友達感覚に近い付き合いだと思う。



「今日は新しい子達も来てるみたいだし、3倍頑張らなきゃダメだなぁ」


「佐伯さんはファン定着してるじゃないですかぁ。大丈夫大丈夫。」



「お。言うねー。でも凛もファンは多いだろ」


「まぁ恋愛ソングが多いから共感とかしてくれる人が多いだけだとは思いますけどね笑」


「そうかぁ?凛はやっぱり実力も魅力のひとつだよ」


「ありがとうございます。」



いつもこんな感じで適当に喋ってから定位置に着く。最低限に地面を掃いてデニムのまま座り込む。


ワインレッド色をした愛用のギターを取り出してチューニングをする。


時間はもう7時を回ろうとしてる。
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