帰り道
「青井?俺、青井にだけは嘘付かないよ。前も言ったじゃん。青井のこと可愛いって思ってるよ。
それに気とか遣うなって。俺らもうすげぇ仲良いんだし。
いや‥つーかさ‥俺が青井と一緒に帰りたいっつーか。送ってやりたいだけだからさ。
青井が襲われたりしたら俺絶対許せないから‥。まぁ頼りないかもしれねぇけど送らせろよ。
だっ、だから気遣うなよ!!わかった?」
ねぇ ハル
どうしてハルはそんな言葉をあたしなんかにくれるの?
ひとつひとつが宝石みたいに輝いてて全てを拾い上げていつもポケットに入れておきたいくらいだよ。
だんだん目頭が熱くなって視界がボヤけるのがわかった。
泣くだけであたしの気持ちがハルに伝わってしまいそうで怖かった。
声にならない声で涙を堪えながら『わかった』と呟いたけれど一筋溢れた涙をいつの間にか自転車から降りたハルがセーターの袖口で不器用に拭いてくれた。
「つーか俺何言ってんだろ。はずっ!!キモっ!!こんなん言わせんなよー」
あたしたちはふたりで笑ってまた歩き出した。
ハルはあたしの涙の理由なんか聞かなかった。その代わりなんだかいつも以上にあたしの大好きな笑顔は優しかった。