目には目を、歯には歯を
「弁護士が来るまで、黙秘させて貰うよ」

警察署につくなり、爽やかな笑顔でジャックがそう言うと、警官たちは皆驚いた顔をして、顔を見合わせた。

先ほど、ジャックを連れてきた若い警官が、おそるおそる口を開く。

「弁護士…ですか? …この国に、そういった方はいないのですが…」

「弁護士がいない??」

驚愕してジャックは叫んでしまった。

「どういうことだ!? じゃあ裁判はどのようにして行うっていうんだ?」

思わず語気が荒くなる。

警官たちは皆顔を見合わせた。

「裁判…?」

裁判って何だ?
といったひそひそ声があたりに飛び交う。

ジャックは眉をひそめた。

――裁判がない国、だと?
では、犯罪者はどのように裁かれるというのだ?

ジャックが不審に思っていると、奥から一人の人物が現れた。



< 17 / 77 >

この作品をシェア

pagetop