目には目を、歯には歯を
しかし、警察に行く羽目になるとは……。

計算外の出来事に、ジャックは内心の焦りを押し隠して応対をする。

「飛行機に遅れたくないのですが」

「…話が済むまで、出国はできません。とりあえず来てください」

マズイことになった…!

ジャックは自らの油断を憤った。
だが、あとの祭りだ。

言われるがままに、警察の車に乗り込み、警察署まで行くことになってしまったのだ。

車の中で、先ほど怯えてた若い警官が、おそるおそる話しかけてくる。

「…あの女性、殺したんですか…?」

何故か、敬語だ。

ジャックは動揺をおさえ、黙ったままでいた。

――弁護士が来るまでは黙秘権を行使しよう。

そう思って黙り続けていたジャックだったが、若い警官にはその心境が判らないらしい。

「まだ、公表されてないんですけどね、遺体が見つかったんですよね…」

そんな話を車内でしてしまっていいのだろうか?

そんな戸惑いと、女性の遺体が見つかった、という事実に、ジャックは狼狽する。

車は、すぐに警察署についた。



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