目には目を、歯には歯を
厳重なゲートをくぐり抜けて中に入ると、一人の男性が出迎えに来た。
白衣を着た、研究員…というか医者というか…。
そんな雰囲気の、中年の男性だ。

沈痛な面もちで
「ジャック・ブラッドさんですね?」
と言うと、「こちらへ」と更に奥に促した。

「私はここで」
エリックはそう言うと、一礼して建物を出ていった。
一刻も早くここから出たい、というように、足早に去っていく。

エリックのその姿をしばらく見ていたジャックだったが、毅然とした態度で、出迎えに来た男性について行った。


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