妖の王子さま
久しぶりに感じる、傷を引き受ける時の痛み。
顔をしかめ耐えるとそっと目をあけた。
傷は半分ほど蒼子の身体に移っていた。
その痛みに、牛鬼が負った傷がどれほどのものだったのか身を持って感じ恐怖を覚えた。
「白玖・・・」
白玖は無事だろうか。
もしかして、白玖も怪我を・・・。
蒼子は気が気ではなかった。
しばらくし、牛鬼が目を覚ました。
「蒼子さま・・・!」
自分を心配そうに見つめる蒼子に気づき牛鬼が勢いよく起き上がった。
そして、自分の身体の痛みが薄れていることに気づき慌てて蒼子の身体を見た。
「蒼子さま!その傷・・・。俺の・・・俺の傷を移したのか!?」
「牛鬼、よかった」
「なんでそんなこと!違う、そんな事のために俺は来たんじゃない・・・。蒼子さまを傷付けるつもりじゃ・・・」
自分の傷が蒼子の身体を傷付けてしまったことを知り、深く後悔した牛鬼はすがるように蒼子の腕を掴み項垂れた。
「私の傷はすぐに治るから。そんな風に思わないで。私にできることをしたいの」
「蒼子さま・・・」