妖の王子さま
「なんだよ、それ」
「人間の血の味を覚えたんだろう。子どもを遊ばせながら自分はその血を得る。もうあれは、化け物と化している」
「どうにもならないのかよ」
「・・・あれはもう、退治するしかない」
人間の血の味を覚えてしまえば、もう手におえない。
その欲望のままに人間を襲う化け物と化すのだ。
「くそっ!」
牛鬼は悔しそうに顔を歪める。
2人はとある教室に入った。
そこは、調理実習室だった。
大きな冷蔵庫や貯蔵庫がある。
そこに逃げ込み、様子を見る。
かまいたちの刃の攻撃はいったん収まっていた。
「なんだここ。変なもんがたくさんあるぞ」
貯蔵庫を覗き込んだ牛鬼はそこから小麦粉や片栗粉の袋を取り出した。
牛鬼には目新しいものに、興味深そうに覗き込む。
「粉?」
「それ・・・」
白玖はそれを見て、考え込んだ。