覇狼


「くぅ!!!」


バンッと開かれたドアの音と共に叫ばれた私の名前。


そんなに大きい声出さなくても聞こえるよ……


「うるせーわ、健太。」

「うわー……くぅがいる……」



そんなお化けみたいに扱わないでほしい……


『担任、けんちゃんなの?』


「そ。もうすぐHR始まるぞ〜」


✧高梨 健太(タカナシ ケンタ)
 呉葉のクラスの担任。覇狼5代目幹部。
とにかくうるさいが、意外と頼れたりする。



「くぅ、行こう!」

『うん!またね、きーちゃん』

「おう、いつでも来い。」


理事長室を後にすると、けんちゃんが説明をしてくれる。


「一応、特別なクラスはないんだけどよ?俺のクラス、覇狼の現役とかいるわ。」


『聞いてないよ。』


「今言った〜。そんでな、ここの生徒の中にも結構いるんだわ。」


『現役とか知らない人だし…』


なるべくなら関わりたくない。



女の子がキャーキャー言ってるのが容易に想像できてしまう。


あの中にいる勇気はもうない。

「ま、とりあえず呼んだら入ってこいよ〜」


いつの間にか教室に着いていたみたいだ……


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