闘争少女【後編】完

50#その少女、終幕





「カロクさん……」と、シキが静かに呟く







体育館の出入り口には
漆黒の髪色をしたカロクが立っていた









__カタ_カタ_カタ


カロクは2人の間に割って入り
イスズに背を向けサドの前に立ちはだかる








「それ以上はよせ…サド。

お前がしたかった闘いはこんなことか?
こんなことをする為に俺を呼んだのか?」


「…………………」


「もう勝負はついた。」








そう言い放つと今度はサドに背を向け
イスズの方へと振り返り近づいてゆく










『シ、ロ?…ぃゃ、カロ…ク?』









久しぶりのシロの姿に心臓が跳ね上がる
これも今までになかった感情が湧き上がってゆく









「今はカロクでいい」


『カロク………』


「サド……お前の負けだ。」









カロクはしゃがみ込み
倒れているイスズに優しく頭を撫でた




そして薄れゆく意識の中
ずっと会いたくてたまらなかった人物が
目の前に現れ安心したのか








イスズはそのまま目を閉じた……



< 293 / 315 >

この作品をシェア

pagetop