Verbal Promise(口約束)~プロポーズは突然に~

18 絶体絶命の大ピンチ

 「よかったら、今度また二人で会ってお話しませんか」。
 夜、秀則さんから届いたメールを見つめながらその文面から彼の意図を探る。
 ……だめだ、分からない。
 この間会った時のように、また社長に誘えって言われて仕方なく?
 そもそも、社長がなぜ私を秀則さんを二人で会わせようとしているのか……。
 悪い人ではなさそうだし会ってお話するくらいならいいかな。こっちにきて知り合いもいないし友達になってもらえるのならこっちとしても嬉しいし。
 でも、誰かさんが男女の友情はありえないとか言っていたような。
 と、言うことは? 秀則さんは私を何か特別な感情を持って誘っていると言うこと? いやいや、それはないでしょう……。自分に、会って間もない男性を落とせるだけの魅力があるとは思えない。初対面ではまともに目すら合わせられないのに。現にこの間だって、目が合えばすぐに逸らしてしまい、まともに一度も目を合わせて話すことはできなかった。

「はぁー」

 携帯をベッドに放り投げ仰向けに寝転がる。
 こんな時、今の私には相談できる相手が近くにいない。
 視界に入る携帯を再び手に取る。とりあえず断る理由がなく、誘いにOKの返事を送信した。
 携帯を置きお風呂に入ろうと立ち上がる。部屋干ししたままになっている下着を取ってバスルームに向かおうとすると背後で携帯が鳴る音がする。

「だから返事早すぎるって!」

 携帯を見なくても誰からのメールかは想像がつく。週末に秀則さんと会うことが決まった。

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