恋する時間を私に下さい
「…自分を犠牲にする必要なんかないよ」

冷静なセイジさんの声に首を振りました。

「だったら、おとなしく襲われとけばよかったじゃんかよ」

呆れるスグルさんの声にも首を振った。

四人が困るように見てたのは分かる。
でも、私自身、どうしてあげれば良かったのか、見当もつかない。
ただ、逃げ出すことも、思い通りになるのも違う気がしてた。


「……リリィちゃん…」

隣に座ってたセイジさんの声がしました。
握りこぶしを目に押しつけたまま、ちらっとそっちを向きました。

少しだけ息をつくと、セイジさんは私に聞いてきた。


「……レイが好きなの?」

ドキッとする言葉に、何も反応できなかった。

首を縦にも横にも振らないでいる私を見て、セイジさんはもう一度、同じように言った。

「…好きなんだ…」

断定的な言い方に、体が震えだした。

あんな形じゃなかったら、私は多分、礼生さんのやることを拒絶しなかったと思う。
疲れきってる心と体を癒せるのなら、いくらでも自分の身を投げ出した思う。

でも…


(でも……初めてだったから………プライドが邪魔して………)


ーーー声に出せない言葉がノドの奥で嗚咽になった。
苦しそうに泣く私のことを、セイジさんが抱き寄せた。


「…よしよし」

子供を抱くみたいに、優しく頭を撫で続けるセイジさん。
それを見ながら、アラシさんとトドロキさんが「やり過ぎだ!」と非難した。


「…バッカバカしい!」
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