present box
「いやいや、それくらいはあんたの自由だろ。俺だったら教えないだけ。」
自由。
「…どうかしらね。」
気持ちが、一気に冷めていく。
まるで魔法の言葉だ、と笑う。
私を現実へと引き戻す魔法。
「そろそろまた、衛兵がやってくるわ。行くなら今のうちよ。」
不思議そうにこちらを見る彼にも、現実を。
その言葉を聞いて、一礼してから窓のほうへと近づいた彼は、振り返って聞いた。
「明日、来てもいいか。」
やけに真剣に聞いてくるものだから。
「なにも盗まないならいいわよ。」
「努力してみよう。」
笑って返した私に微笑み返して、彼は窓から姿を消した。