超能力者も恋をする
ひっそりと静まりかえったフロアにキーボードを叩く音だけが響いている。

間宮すみれは、終電に間に合わせようと集中して画面に向かって一心不乱に作業に没頭していた。
(あ、資料持ってくるの忘れた!)

カタカタとリズム良く鳴っていたキーボードの音が途切れる。 書類作成に必要な資料が入ったファイルを持って来るのを忘れていた。
資料はフロアの端にある書類棚に入っている。すみれの席からは10か15メートル離れている。
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