超能力者も恋をする

そう言って、先輩は両手ですみれの頬を押さえて顔をタコみたいにすぼませた。

「ふふっ、変な顔〜。」
先輩が笑って言う。確かに不細工になっているだろう。
すみれも思わず両手を出して同じように先輩の顔を挟み込む。
「先輩も不細工ですよ!」

「「ぶっ!」」

2人してお互いを見合って笑い出す。

「間宮、俺は間宮の超能力の事好きだよ。気持ち悪くなんてないから。もうその事で悩むなよ!さ、帰るぞ。」

そう言って、先輩は歩き出した。
夕陽に照らされて先輩の髪が紅く染まる。

その瞬間、すみれの心臓はドキドキと鼓動を早め出した。体も熱い。特に頬が真っ赤になってるようだ。

急いで先輩を追いかける。

先輩の白いシャツを見ながらすみれは気づいた。
(…どうしよう、私、加藤先輩の事が好きになったみたい…。)

空が暗くなり月が顔を出し始めた帰り道、すみれは自分の恋心に気づいたのだった。

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