超能力者も恋をする
ドキドキしてると先輩がチャイムを押して、すぐに玄関が開いた。
現れた妹の彼氏さんは、背が高くてがっしりとした体格の良い大きな人だった。妹さんと同じ21歳だそうで、ガタイの良い青年だった。名前は佐川大輔と言うそうだ。
「お兄さん、早かったっすね。どうぞ入って下さい。」
「やっ、佐川くん。お邪魔するよ。こちら同僚の間宮さん。ちょっと手伝って貰うから一緒にいいかい?失礼しまーす。」
彼氏の佐川さんは始めいきなり来たすみれを訝しげな目で見ていたが、とりあえず部屋に招き入れて貰えた。
リビングに入ると小さめの部屋だけれど、若いカップル仕様で小さくても可愛らしい部屋だった。
「何か連絡あった?」
先輩が早速佐川さんに尋ねる。
「いや、何も無いです…。」
三人とも肩を落として空気が重くなった。
「そもそも、ケンカの理由は何なわけ?」
「えーと、、、。卵が、無かったからです。」
「はぃっ?!」
突拍子もない答えに先輩の声が裏返る。
「…佐川くん、詳しく聞かせて貰おうか。きちんとわかるように説明してくれるね。」
顔はにっこり笑って話してるが目は全然笑ってないその表情は普段の先輩と違って恐ろしかった…。
佐川さんも驚いて縮み上がって、姿勢を正して説明し出した。
「俺、毎朝ご飯に卵をかけてたべるんですけど、ケンカしたその前の日から卵が無くなってたんですよ。それなのに美弥は買って来なくて、何で買って来ないんだ?って聞いたら、だったらあんたが買って来い!って、そこからケンカが始まって。で、次の日起きたらもう美弥はいなくなってたんです…。」
その時の事を思い出したのか佐川さんは薄っすら涙目になった。案外体に似合わず繊細な人なのかもしれない。