未知の世界3

目を覚ますと、私は病室にいた。
ハッとして、窓を見ると光りが入っていた。
思い出した。




検診にきて、進藤先生が終わるのを待っていたら寝ちゃったんだ。





胸を見ると、心電図を取られていた。
私が微妙に動いたからか、機械がピーピー鳴っている。
慌てて体を起こし、機械をどうしたら止めれるのか、慌てていると、扉が開き、進藤先生が顔を出した。





「かなちゃん、おはよう。
相当疲れてたんだね。」





「進藤先生、おはようございます。
あの、この心電図は?」




「あぁ、昨日聴診したときに、心音が気になって。
検診の時の心電図も気になって、君が寝ている間に心電図を付けておいたんだ。」





「え?私、心臓が悪いんですか?」




「おそろく、心膜炎だろう。
今はまだ様子を見て、必要であれば手術が必要になる。




普通の心膜炎ならここにいる心臓外科で手術ができるんだが、一つだけ問題があるんだ。」





「何ですか?」






「君の心臓は、一回り小さい。
他の臓器は大人の臓器なのに、心臓だけ小さいんだ。




だから、手術で心臓を開いてみないと君の心臓の状態が分からない。
そんな状態だから、小児外科の医師と心臓外科のスペシャリストでないと、手術することはできないんだ。」







私は進藤先生の言っていることを自分のこととは思えなかった。
これまで二回も手術してきたけど、命は助かってきた。
だけど今回は、心臓・・・。
いままでとは違う。
それに今すぐには手術できないなんて。






「これからそのスペシャリストに連絡をするつもりだが、その前にかなちゃんの同意書が欲しい。」





もうすぐに決断しなきゃならないの?
心の準備がまだ・・・
もうこれ以上傷が増えるなんて、我慢できない。





「あの、手術しなきゃ治りませんか?
私、手術は嫌です・・・」




「何とも言えない。心臓の状態を見なきゃ分からないから。



だけど、もし進行していたら、早く手術しないとかなちゃんの心臓がもたないんだ。」







「それでも、手術はしたくないです。」





進藤先生は困り果てた顔をしてるに違いないと思ったけど、先生の顔を見ることはできなかった。
私は下を向いて黙った。






「もう少し考えてみてね。
それから・・・・・・・・・」






そのあと進藤先生が私に何か説明していたけど、全く私の耳には入ってなかった。
気づくと部屋には進藤先生の姿はなかった。





私は朝食を食べる気力もなかった。
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