男装騎士~それから~
「オーオー、夢は大きく持てよ」
「バカにすんなよ!」
「してねぇよ。応援してやるよ」
自分に向け放たれたパンチは弱々しくて。
まだ夢でしかないその思いは、いつか現実になるんだろうか。
その時には、俺はどうしているんだろう。
「よし。稽古つけてやる」
「えー、ノアって強いの?」
「お前、この身体見て言ってんのか?」
「見せ掛けじゃなくて?」
「あのな」
憎たらしいガキなんて、嫌いだ。
扱い方なんて知らねぇし。
でも、少しだけ。
こいつの夢の手伝いをしてやりたいと思ったんだ。
なに、ただの気まぐれ。
「男と男はな、拳で解り合うんだ」
「拳で?」
「ああ、かかってきな」