男装騎士~それから~
目を見開いたユキが、俺を支えるように差し出した両手。
俺はその手を振り払う。
すがってはいけない。
この手を取ってはいけない。
俺の手は、汚れているから。
罪に、汚れているのだから。
俺を刺したことで動揺した野党は俺を刺した剣から手を放した。
自分の腹から剣を抜きその野党を斬り伏せた。
次の瞬間、意識が飛び、俺はその場に倒れた。
ああ。
これで死ねる。
これが、俺の罰だ。
侵した罪への正当な罰。
俺は、救われてはいけない。