あなたに包まれて~私を分かってくれる人~
その言葉を残して、社長は事務所を出て行った。
「今すぐにでも話が聞きたいな。」
小夜子さんはデスクに座って、私を見た。
「佐川さんにプロポーズでもされた?」
いきなり核心をついてくる小夜子さん。
私は思わず目を見張った。
「あれ、ちょっとびっくりさせようとして言ったんだけど、どうやら図星みたいね。」
私の顔は赤くなる。
「仕事は辞めちゃうの?」
小夜子さんにとっては、それは大きな関心事に違いない。
「すぐにではないんですが…。ちゃんと引継ぎをして、自分に納得が出来たら。」
そんな言い方をした私に、小夜子さんは優しく笑いかけた。
「相原さんらしいわ。衝動では動かなくて、ちゃんと周りの状況も見えている所はいつも感心しているのよ。」
そして私にクスリと笑った。