あなたに包まれて~私を分かってくれる人~

「なあ、萌香。俺は…。」

私は篤弘を振り払って、駅へ向かう。

「おい、話ぐらいしてくれてもいいだろう。」

篤弘に私は腕を掴まれた。

私の中に電気が走ったような気がした。

どうしよう…。

「おい、嫌がっているだろう。」

私の後ろから声がした。

「透さん。」

そう言った瞬間、篤弘の手が私を離した。

「郁也に言われて、迎えに来たんだ。」

透さんは私を見た。

「すれ違いにならなくて良かったよ。…ところであなたは彼女に何か用でもあるのですか?」

透さんはきりっとした顔を、篤弘に向けた。
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