あなたに包まれて~私を分かってくれる人~
7
「おはようございます。」

私はきょろきょろしながら、会社の中へ入っていく。

良かった、いつもの時間だから佐川さんはまだ来ていない。

「おはよう。」

山崎さんが挨拶しながら、事務所に入って来た。

「今日はすぐに出るからよろしく。」

もう工務課には寄ったみたいだ。

「そう言えば、佐川の記念品は決まった?」

いきなり出て来た佐川さんの名前に私はびくつく。

「あっ、まだです。」

私はとっさに返事した。

「そうか、来週の金曜日に送別会を設定したんだ。だから今度の休みにしか買い物に行ってもらえないと思う。」

山崎さんは本当に気が回る人だ。

「分かりました。何とかしてみます。」

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