裏ギフト
それだけでも気味の悪さを感じたけれど、あたしは毛玉の縫い目とクッションの5センチの縫い目がピッタリと一致する事に気がついた。


縫い目で2つをくっつけてみると、毛玉はシッポでクッションは胴体のように見えてくる。


そうなると、視線は自然とウサギの耳へと移動していった。


「ウサギの……体?」


そう呟き、ブンブンと首をふる。


そんなハズない。


もしそうだとしてもにせ物に決まっている。


ウサギの人形を分解して送ってきているのかもしれない。


「悪質なイタズラ」


そう吐き捨てると、ウサギの耳のストラップをカバンから外し、3つまとめてクローゼットに押し込んだのだった。
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