裏ギフト
あたしはその手のぬくもりにドキッとする。


「あ……ありがとう! 永遠!!」


そう言いはしゃいだついでに永遠に抱きつく。


廊下にいた数人の女子生徒から、刺すような視線を感じる。


だけど、そんな事はどうでもいい。


「そんなに喜ぶことかよ」


そう言いながらも、永遠も嬉しそうに笑っていた。


あたしが喜んだから、嬉しいんだよね?


永遠はあたしの一挙一動に表情を変化させてくれる。


それがたまらなく嬉しかった。


そして……あたしの隣で唇をかみしめて下を向いている結香を見て、あたしは永遠に抱きついている手の力を、ギュッと強めたのだった。
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