裏ギフト
じゃぁ……残るは顔だけ……?


そこまで考えてゾクゾクと背中に虫唾が走り、持っていたシッポを投げ出した。


「なにこれ、次の日曜日にはウサギの顔が届くっていうの!?」


ここまで送られて来たものは、すべてとてもリアルだ。


顔が送られてくればそれが作り物かどうかがきっとわかる。


もし、本物のウサギだったとしたら……?


一瞬にして恐怖と吐き気がこみあげて来て、あたしはこれまでの贈り物をすべてゴミ箱へと詰め込み、他のゴミと一緒にして外へ出した。


「あら侑里、早いのね」


途中でお母さんが起きて来たけれど返事をせず、そのまま洗面所に向かって手を洗った。


指の先から肘までを念入りに洗いながら、自分の顔が徐々に険しくなって行くのを感じる。


「誰よ……」


そう呟き、ギリッと歯を噛みしめたのだった。
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