裏ギフト
そして、また日曜日がやってきた。


ここ数日間『ギフト』という言葉が頭の中にあったあたしは、意識しなくても早起きになっていた。


ベッドの中でハッと目を覚まし、すぐに体を起こす。


窓の外はまだ薄暗く、朝日が街を照らすのはまだ少し先だということがわかった。


あたしはパジャマから部屋着へと着替え、すぐに部屋を出た。


お母さんを起こさないよう、ゆっくりと階段を下りて玄関を開ける。


鍵を開けるカチャッという音さえ、すごく大きく感じる。


サンダルで外へ出ると、少し寒くて身震いをした。


やっぱり早朝は気温が低いみたいだ。


小走りにポストまで向かい、中を確認する。


中には新聞が入っているだけでいつもの箱は見当たらない。


まだ来ていないみたいだ。


あたしはホッと胸をなで下ろし、塀に身を寄せてしゃがみ込んだ。


今日こそギフトを送ってきているヤツの顔を見てやる。
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