裏ギフト
☆☆☆

そして、日曜日。


友人と会話もなく、予定もない平日はあっという間に終わって行く。


気が付けば日曜日になっていて、あたしはポストに何かが投げ込まれる音で目を覚ました。


重たい体を起こし、窓辺まで行ってカーテンを開ける。


そして庭へと視線を向けたとき……黒ずくめの人間がポストの前に立っているのが目に入った。


一瞬息を飲み、目を見開く。


今すぐ外へ出て相手を捕まえてやる。


そんな気持ちと裏腹に体は硬直してしまって動かず、相手から目を離すこともできない。


呼吸は乱れ、ジワリと体中に汗が滲んだ。


その、瞬間。


不意に相手が視線を上げ、こちらを見た。


帽子にかくれたその目が、窓越しにあたしを捕らえたのがわかった。


「……っ!」


全身に駆け巡る不快感。


それとは別にビリビリと関電するような刺激か体に走る。


なに、これ。


なんで?


あたしは相手から視線をそらす事もできず、一歩後退した。


そして相手は……ニヤリと笑いかけ、そのままどこかへ行ってしまったのだった……。
< 240 / 382 >

この作品をシェア

pagetop