裏ギフト
「犯人が直接動物を殺して内臓を取り出し、中に綿をつめて縫いつけるとは思えない。やっぱりあの《裏ギフト》は絡んでいると思うな」


「そうだね」


あたしもその考え方には賛成だった。


人へ嫌がらせをするために、そんな手の込んだ事はしないと思う。


「猫の残りのパーツは足と顔かな? それがそろった時、ボンドも一緒に送られてきて『組み立てろ』というメッセージが入っているワケだな?」


「うん。前の時はそうだった」


「へぇ。面白いな」


翔真はそう言い無邪気に笑った。


「面白い?」


あたしはムッとして翔真を見る。


「あ、悪い……」


そう言いながらも全然悪びれてはいない。


興味のあるおもちゃを目の前に持ってこられた子供みたいだ。
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