裏ギフト
外へ出ると予想通りひなたの顔は青くなっていた。


「ほら、ここに座ってて」


あたしはひなたを近くのベンチに座らせると、コーラを一本買って戻ってきた。


「ありがとう……」


かすれた声でそう言い、あたしからコーラを受け取るひなた。


「怖いのが無理なのに、どうしてゾンビ映画なんて選んだのよ」


あたしは呆れてそう聞いた。


「だって、空が見たいっていうから……」


「そこまで彼氏に合わせなくてもいいのに」


「だって、趣味が違うって思われたくないもん」


ひなたはそう言い、少し落ち着いたようにため息を吐き出した。


「その気持ちはわからなくもないけどさぁ……」


せっかくの日曜日、彼氏とのデートでどうしてあたしが呼ばれたのかと思っていたけれど、この映画が原因みたいだ。


ひなたは、自分が途中から映画を見れなくなることをわかっていた。


だから、あたしを呼んだんだ。
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